リオスデジタル六法  労働基準関係判例集

地位保全等仮処分(リアテック事件)
H13.11.20 大阪地決定 平成13年(ヨ)10062(却下)
営業成績が不良であり、業務向上のための協力姿勢も見られないとの理由で解雇されたことにつき解雇権濫用はないとされた事例
体系項目解雇 / 解雇事由 / 勤務成績不良・勤務態度
出典労経速報1791号22頁
判決理由  上記認定事実によれば、債権者は京都支店への異動について不満をもっていたことが認められる。しかし、債権者の居住地から京都までは通勤不可能な範囲ではなく、また、債務者が、債権者の事情を聞いた上で、大阪勤務の話し合いをしてもよい旨や出勤時間や退勤時間をずらすことを申し出ているにもかかわらず、債権者は自分の顧客に固執してその申し出を拒絶していることが認められるのであり、その上、債権者は、京都支店への辞令発令後に債務者との間で本件合意に至っているのであって、当然債権者は京都支店への異動を前提として本件合意をしたといえる。債権者は、平成一三年三月二日の休暇取得については、労基署等に相談にいくために取得したと主張し、陳述書にはその旨の記載がある。仮にそのような事情で債権者が休暇取得を申し出たとしても、債権者の方ではそれまでその件についての話し合いに応じる意思を示していながら、債権者のほうでこれを拒絶し、話し合いに応じなかったのであるから、債権者が京都支店への異動に不満があったとしても、それをもって債務者に問題があったとはいいがたい。そして、債権者が、本件合意の存在にもかかわらず、それまでの債権者の営業成績、営業活動、今後も債務者の方針に従わず独自の営業活動を考えていたことの事情から、債権者に協調性がなく、債務者や上司の指示に従わないと評価されてもやむを得ない。
 したがって、債務者が、債権者が上司の指示や会社の意向も聞き入れず、協調性に欠け、自己中心的であるとの理由で本件解雇を行ったことはやむを得ず、解雇権の濫用であるということはできない。