| H12.1.21 大阪地裁判決 平成11年(ワ)3418 一部却下、一部認容、一部棄却(控訴) | |||
| トラック運転手を得意先からのクレームにより配置転換することが許されるとしても、相当期間経過後にも運転業務に復させなかったかったこと及び解雇には合理的理由がないとされた事例 | |||
| 体系項目 | : | 配転・出向・転籍・派遣
/配転命令の根拠・限界 解雇/解雇権の濫用 | |
| 出典 | : | 労働判例780号37頁 | |
| 判決理由 | : | (証拠・人証略)によれば、被告は、平成九年八月五日、A会社から、原告Bが、同社の南港センターにおいて、同社の配車担当者の配車指示を拒否し、かつ、他の担当者にも文句を言ったので、同社の配車担当者は他の運転手に配送を指示したとして、原告Bを南港センターにおける就労から外すように要請され、原告Bに謝罪させて、その後の南港センターへの就労について、同社の了解を得たが、その後、平成一〇年九月一日、同社から、原告Bが南港センターの同社の配車担当者に対するクレームが多いので、指導、教育を徹底するようにとの警告を受け、平成一一年一月六日には、平成一〇年一二月三〇日に、原告Bが、同社の配車担当者に対し直接クレームを付けたとして、原告Bの南港センターにおける業務を外すことを要求され、被告は、そのため原告Bを従前のまま南港センターにおける配送に従事させることができず、原告Bに対して本社勤務を命じるに至ったことを認めることができる。 原告Bは、配車拒否までしたことはないといい、A会社の配車担当者に配車について、要望したり、労働組合の委員長として公平な配車を求めただけであるというが、被告の得意先という他社との業務上の関係であるから、直接に苦情や要望を求めるのは相当でなく、それなりの手続を踏むべきであり、原告Bの所為に問題があったことは否めない。そして、被告としては、A会社から三回にも及ぶ申入れを受け、平成一一年一月六日には、原告Bの南港センターにおける就労を拒否されたのであるから、原告Bを南港センターで就労させることはできなくなったというべきであり、原告Bの配置転換は致し方のないことというべきである。 原告Bと被告の雇用契約は、原告Bの業務をトラック運転手として限定してされたものである。そこで、その配置転換先は、他の運転業務がまず検討されなければならない。ただ、本件配転命令が、A会社による平成一一年一月六日の原告Bの就労拒否を受けて、翌日されたことからすると、配転先検討のため、当面、運転業務以外の勤務を命じたとしても、そのこと自体はやむをえないものであり、これによって、運転業務に伴う手当の支給がされなくなったとしても、これを違法ということはできない。しかしながら、雇用契約に業務の限定があることからすると、右業務外への配転が合理的として許されるのは、配転先を検討し次の異動が可能となるまでの期間というべきである。〔中略〕 原告B本人尋問の結果によれば、原告Bに対する地上勤務は、本社勤務というものの、駐車場にある小屋にただ一人だけ配置されて、草取りや掃除以外に殆ど仕事もなく、その扱いには原告Bへの嫌悪が見て取れるのであって、これらを併せ考慮すると、原告Bの配転先を真剣に検討したかどうかは疑問が残るところである。 そうすると、原告Bの配転先を検討する期間としては、二週間もあれば充分というべきであり、被告は、遅くとも平成一一年二月には、原告Bを運転業務に復させるべきであり、原告Bの同月からの地上勤務は違法というべきである。 本件解雇は、〔1〕原告Bが、平成九年二月一日その配送業務についてA会社の配送担当者に直接コース表を請求したこと、〔2〕同年八月五日の同社の配車担当者の配車指示に対する拒否及び他の担当者に文句を言ったこと、〔3〕平成一〇年九月一日及び同年一二月三〇日申入れにかかる配車担当者に対し文句を言うなどの態度があり、A会社から南港センターでの業務差止めを求められたこと、〔4〕平成一一年一月六日にも原告Bの就業差止と代替運転手の派遣を求められたことを理由とする。確かに、〔1〕ないし〔3〕の原告Bの行為は、被告の得意先に対する行為であって、その配車に不満があったとしても、直接抗議することは穏当でなく、手続上問題があったといわなければならないが、解雇事由に該当するほどのことではない。平成一一年一月六日のA会社の申入れについても、配転をもって処理すべき事柄であって、そのことだけによって解雇を正当化するものではない。 | |