リオスデジタル六法  労働基準関係判例集

賃金等請求(東灘郵便局事件)
H10.09.10 大阪高裁判決 平成9年(ネ)1522,平成9年(ネ)1585 棄却(確定)
一審:神戸地H9.05.20 平成5年(ワ)1052
年次有給休暇の事後請求につき、「やむを得ない事由」の説明がなかったとして欠勤扱いとしたことに違法はないとされた事例。
 同僚の葬儀出席のための時間年休請求につき、代替要員の確保等の配慮を怠って時季変更権を行使したことが適法とはいえないとされた事例
体系項目 年休(民事) / 時季指定権 / 指定の時期
年休(民事) / 時季変更権
出典 労働判例753号76頁
判決理由  第一審原告は、一九日の出勤時までに就業規則一一条の規定に基づく欠務の承認を受けておらず、欠勤扱いとされていたものであるが、前日の第一審原告のK課長に対する説明では事前に欠務の申出ができなかったやむを得ない理由の説明としては不十分であり、一九日当日にも第一審原告は右の理由説明をしていないのであるから、同課長が欠務を承認せず、年休の事後請求も許さなかったことに違法な点はなく、このような場合に、口頭による事後請求を適法とすべき根拠はないというべきである。
 以上のとおり、午後についても、第一審原告の作業開始の遅れは、予想される業務量を前提としても重大な影響を与えるとの予測を導くものではなく、Mによる代替可能性もあったものである。そして、証拠上、第一審原告の午後の欠務により他の班の業務に支障を与える可能性があったとも認められない。(人証略)の供述中、以上の認定に反する部分は採用できない。
 (五) 以上の認定、説示、特に(二)の認定と、前記第一審被告の当審における主張2の(四)の葬儀出席を理由とする年休請求に対する扱いに関する主張によれば、O課長は、第一審原告の年休請求が葬儀出席を目的とするものであったため、業務上の支障について具体的に検討せず、代替要員の確保等の慎重な配慮を怠り、時季変更権を行使したものと推認することができるということができる。」